文章を書くことが好きだからといって、喋るのがとびきり下手だからといって、メッセージでのやりとりが一番好きなわけではありません。
私は、メッセージよりも、直接会ってよりも、電話越しに話をするほうが好きです。
繋がった時に必ず笑う癖。
サビに向かって競うように走りだすテンポ。
ひとしきり笑ったあとに訪れる沈黙。
話し出すタイミングが被って「あっ」ってなる瞬間。
メッセージだと、感情の純度が低くなる。
直接会うと、言葉すら出なくなってしまう。
その点、話すにも聞くにも電話は一番丁度良いのです。
え、ちょっとまさか、
そんなことが話したかったの?
オチのない心底くだらない話。
そうして、また少しの沈黙あとの、
ちょっと掠れ気味のおやすみ。
その人の中で育った感情や世界観、
背負っているもの。
感情が揺れた瞬間、沈黙の意味。
本当は何が本題だったのか。
そういうものたちを、
声色から感じ取ることが好きです。
ぷっつりと終わってしまう。
それもまた、電話の魅力だと思います。
まるで映画を見終わったあとみたいに、ちょっとだけ寂しくなるのがいいんです。
そう考えると、隣にいるわけじゃないのに心が温かくなるのって、なんだか不思議なことですね。